西濃の森林だよりの最近のブログ記事

マツグミ

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前の週末の寒波で養老の山にもずいぶんたくさんの雪が降りました。
養老山麓に広がる 養老公園にもたくさんの雪が降り、まだ駐車場などは除雪の最中です。駐車場の除雪が終われば、芝生広場でそり遊びなどして頂くことが出来るようになるのですが、もうしばらくお待ち下さい。

養老公園と言えば 養老の滝 ですが、滝まで登る園路は まだ60センチ以上も雪が積もっています。また、雪で折れた木々によって塞がっているところもあります。そこで 今日は、園路の壊れたところがないか、どこに折れた木があるのか、滝まで巡回してきました。
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養老の滝は、こんな寒さの中でも 滔々と流れ落ちています。

さて、滝から流れ落ちる滝谷川の公園の入り口近くにある駐車場は、アカマツがたくさん生えています。そのアカマツの太いのが、雪で折れてしましました。

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折れたマツをよく見ると、ちょっと葉の様子が変です。幅の広い葉が混じっているように見えます。

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何だろう???

これは、ヤドリギの仲間で マツグミ です。
マツグミ    オオバヤドリギ科  マツグミ属   Taxillus kaempferi (DC.) Danser

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マツグミの根元は、このようにアカマツの枝にしっかりと食い込んでいます。こうやって松の枝にしっかりと食い込み、水分や、水分と同時に吸い上げる窒素をはじめとする様々な肥料成分も松から得ています。

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小さな丸いのが 実です。ヤドリギの仲間は、甘くて良く粘る粘液質の果肉を持っています。鳥がこの実を食べて糞をすると、糞が粘る糸を引き木の枝に引っかかります。枝に引っかかった糞から、種が発芽して、またヤドリギが出来る。こうして鳥に運ばれながら広がって行きます。

また 昔の子供は、このマツグミの実の粘液をチューインガムの代わりにしたり、鳥もちにして鳥や虫を捕まえるのに使ったそうです。

【投稿者:西美濃の森林だより特派員 水崎 貴久彦】

茶色のバラ??

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公園の芝生の上に 茶色のバラの花が落ちていました。誰かが、枯れた花をむしって捨てたのでしょうか??
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誰だっ!こんなイタズラをするのは!!
でも、よく見ると ちょっとバラとは違います。

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手の上にのせてみると、大きさがわかりやすいかな?



じつは、これは ヒマラヤシーダー の 松ぼっくり の先端部分なんです。

ヒマラヤシーダー (別名:ヒマラヤスギ) マツ科 ヒマラヤスギ属 Cedrus deodara Loud.

アカマツやクロマツの松ぼっくりは、しっかりしていて一個丸々落ちてきますが、ヒマラヤスギの松ぼっくりは、バラバラと崩れてしまうようです。たまたま崩れずに軸が折れて落ちてきたのが、バラの花のように見えたのでした。
樹の上を良くさがしてみると、大人の握り拳くらいありそうな大きな松ぼっくりが並んでいました。

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【投稿者:西美濃の森林だより特派員 水崎 貴久彦】

サザンカ

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養老公園の楽市楽座・養老から養老天命反転地入り口に向かう途中、甘い花の香りがほのかに漂うところがありました。

童謡「たきび」(巽聖歌作詞・渡辺茂作曲)  ♪さざんか さざんか さいたみち たきびだ たきびだ おちばたき、、、♪  で、良くおなじみの サザンカの花が咲いていました。

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サザンカ ツバキ科ツバキ属  Camellia sasanqua Thunb. ex Murray  日本国内では、沖縄、九州と、本州、四国の一部に自生しています。野生の物は白い花が多いようですが、園芸品種はピンクや赤など様々な色があります。

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ツバキと違い、花びらがバラバラに落ちる事で見分けられたりしますが、雄しべの軸(花糸)の基部まで一本づつ分かれている事でも見分ける事が出来ます。

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【投稿者:西美濃の森林だより特派員 水崎 貴久彦】


能郷白山

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岐阜と福井の県境、200名山のひとつ『能郷白山』は標高1617メートル。

緑が生い茂る登山道を行くと・・・。

たくさんの花と昆虫に出会います。

シモツケソウ?でしょうか↓↓

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アサギマダラとノアザミ↓↓

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ナナカマド?↓↓

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コクワガタも!!↓↓

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この花は何でしょうか・・・。教えてください。

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アブやハチが多いのでお気をつけて~!

【投稿者:岐阜の森林だより特派員 安田】

 

タイサンボク

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養老公園のこどもの国にある芝生の広場で白い大きな花が見られるようになりました。
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モクレン科 モクレン属 タイサンボク Magnolia grandiflora L.

アメリカのフロリダ半島周辺が原産の樹木ですが、130年ほど前に日本に輸入されました。梅雨時期に涼しげな花を咲かせるので、大変に親しまれており俳句などにも多く詠われています。

タイサンボクの葉は、肉厚で表面が非常にツヤツヤしています。裏側は茶色の短い毛がびっしり生えており、まるでビロードのようです。

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また白い花は、高いところに咲いているのであまり感じませんが、子供の顔ぐらいの大きさです。モクレンの仲間の特徴で、花弁の中央に雌しべと雄しべが一緒になった軸があります。また、大層甘い良い香りがします。


【 投稿者:西美濃の森林だより特派員 水崎 貴久彦 】

ヤマボウシ

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養老公園のあちこちで、ヤマボウシの花が開いています。
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これは公園のゴルフ場の近くにあるヤマボウシです。
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ミズキ科 ヤマボウシ属 ヤマボウシ
Benthamidia japonica (Sieb. et Zucc.) Hara

ハナミズキによく似ているのですが、違いがわかるでしょうか。
ハナミズキは、この総苞片の先端がくぼんでいますけど、ヤマボウシはピンと尖っています。

実になると全く違うのですが、花はよく似ています。
ちなみに、ヤマボウシの実の果肉はとても甘くて美味しいんです。香りと酸味がないのですが。
今年はたくさん生りそうですから、ジャムでも作る事を考えてみましょうか。

【 投稿者:西美濃の森林だより特派員 水崎 貴久彦 】


クスノキ

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養老公園 こどもの国 には、たくさんのクスノキが生えています。
白っぽく見えるのがクスノキです。
今、ちょうど無数の小さな花を咲かせています。
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ただ花と言っても、目立つ花ではなく、本当に地味な花です。
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クスノキ科 ニッケイ属 クスノキ   Cinnamomum camphora (L.) Presl

学名は、シナモンの仲間で樟脳(カンファー)が採れる そんな意味でしょうか。
樟脳を含む材木は腐りにくく、また緻密な材なので大層有用に使われていたようです。さらに樟脳が採れることもあり、非常に重要な林業樹木でした。

確か、星新一氏の父親は台湾でこの樟脳採取を行う事業をしていました。
第二次大戦前の日本は、世界一の産出量を誇った時期もありました。
樟脳は、防虫剤だけではなく、セルロイドの原料にもなりますから、今の石油のように様々なところに使われていたのでしょう。

【 投稿者:西美濃の森林だより特派員 水崎 貴久彦 】

養老公園のサクラ その3

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昨日はずいぶん風が強かったのですが、今日は穏やかに晴れ、風もなく、暖かい一日となりました。この分だと、今度の土日もサクラ舞う公園をお楽しみ頂けると思います。

この土日のお天気が良ければ、駐車場や道路は大変に混雑すると思われますので、養老公園へのご来園は大垣駅から養老鉄道をご利用頂く事をお勧め致します。

さて、今日のサクラの様子です。
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ライトアップされる所のサクラですが、ちょうど満開。
暖かい日が数日続くと散り始めるかと思いますが、この週末まで位なら十分保つと思います。
最後に養老天命反転地の様子です。『極限で似るものの家』がサクラの海に浮かんでいます。こんな不可思議な風景に出会うことができるのも、今年はあと僅かでしょうか。

どうぞ 多くの皆様のご来園をお待ちしております。

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【 投稿者:西美濃の森林だより特派員 水崎 貴久彦 】

養老公園のサクラ その2

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前の土日は、穏やか天気と満開のサクラに誘われて、お花見にお出かけになった方も多いのではないでしょうか。養老公園も、大変多くのお客様で賑わい、周辺道路が渋滞するほどでした。皆様には本当にご迷惑をおかけいたしました。

渋滞に巻き込まれないため 良い方法がひとつだけあります。公共交通機関を使うことです。渋滞はしませんし、ほぼ時間通りに到着します。

幸いなことに養老公園は、養老鉄道の養老駅が目の前にありますから、簡単に到着することができます。 皆様、どうか公共交通機関をご利用ください。

 

さて、現在のサクラの様子です。


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養老天命反転地の 極限で似るものの家 が、サクラの海に浮かんでいるみたいでしょ?

こんな景色に出会うことができるのは、本当にごく短い間です。

また、11日まではライトアップをしております。


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夜のサクラも、なかなか素敵です。楽市楽座・養老周辺が ライトアップ会場になっていますから、おでんや焼き鳥などを食べながら、濃尾平野の夜景とサクラを楽しむのも良いかと思います。


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ライトアップ会場の桜並木の中に、1本だけ緑の葉をだして色の白い花を咲かせているサクラがあります。ソメイヨシノにしてはちょっと変です。花が大きいからヤマザクラでもなさそう。近寄ってよく見ようとしたら、ほのかに香りがします。桜餅のかおりですが、どうやらこのサクラからするようです。


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実はこのサクラは、オオシマザクラといいます。

バラ科 サクラ属 オオシマザクラ  Cerasus speciosa (Koidz.) H.Ohba

伊豆地方に多く自生しており、特に伊豆大島で目立ったことから、この名がつけられました。オオシマザクラの葉は、塩漬けにして桜餅の材料にします。この香りは、クマリンという物質なのだそうです。
オオシマザクラは、比較的丈夫で美しい花を咲かせることから、品種改良や交配させて園芸品種を作る材料にされてきました。よく目にするソメイヨシノは、今から150年ほど前にオオシマザクラ×エドヒガンを交配させて 江戸の染井村で 作り出された品種です。また、ソメイヨシノを接ぐ台木にもされます。さらには、炭の材料にされたり、材木を取ったりと、非常に活用されています。

もし、このサクラを見かけたら、そのにおいも楽しんでみてくださいね。

【投稿者:西美濃の森林だより特派員 水崎 貴久彦】

いよいよ 春 です!

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久しぶりに晴天のお休みです。今年は寒い日が続いたから、外遊びに絶好の日和とばかりに、皆さん いろんな行楽地にお出かけでしたでしょうか。

養老公園も、今日は久しぶりに沢山のお客様が訪れて下さいました。

さて、そんなお客様で賑わう園路をちょっと外れると、静かな林の中を歩く園路があります。
妙見堂からずっと下に伸びる園路なんですが、とても静かで雰囲気のある園路なんですよ。
この園路には、春を告げるかのように咲き始める植物があります。遠くから見ると林床の枯れ葉に混じって白く点々と花を付けているのが見えます。

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この花は、ミヤマカタバミと言います。

カタバミ科 カタバミ属 ミヤマカタバミ
Oxalis griffithii Edgew. et Hook.f.

もう少し近寄ってみましょうか。
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白い花がとてもきれいです。白い花多いようですがピンクの花もあるようです。
カタバミの仲間である特徴的な葉が見えますか?ハート型の小葉が3枚くっついています。

いよいよ これから養老公園も春の行楽シーズンに入ります。

【投稿者:西美濃の森林だより特派員 水崎 貴久彦】

ニホンズイセン

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立春、節分が過ぎ、いよいよ春間近です。養老公園の中で春を探すと、一番に咲き始めるのが、ウメとニホンズイセンです。

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この二つの植物に共通するのは、とても香りがよいことと、古い時代の帰化植物であると言うこと。こういった植物を史前帰化植物と言います。
外来生物規制法で扱うのは、明治期以降の生物ですから、この法律の扱いからは外れます。
特にニホンズイセンは、海岸地帯などの自生地が観光開発されたりしていますので、既に日本の景観を作る重要な植物と言えそうです。また、ウメは和歌に詠まれたりしており、日本の文化を支える重要な植物です。帰化植物と言っても、一概に悪者のような扱いはできないのです。

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ニホンズイセン ヒガンバナ科(ユリ科)スイセン属 Narcissus tazetta var. chinensis
地中海地方が原産地のようですが、室町時代以前に日本に帰化した植物で、暖かい海岸地方では自生して大きな群落を作っているところもあります。

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スイセンの花をよく見ると、白い花びらと、黄色いカップのような部分に分けることができます。でも本当は、白い花びらのように見える部分のうち、外側に着い ている3枚は花萼(かがく)で、内側の3枚が本当の花弁です。また黄色のカップの部分は、副花冠(ふくかかん)と言い、花弁が変化した物です。

【投稿者:西美濃の森林だより特派員 水崎 貴久彦】

ウメ

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ウメ  バラ科 サクラ属 Prunus mume Sieb. et Zucc. 
中国が原産地で、日本へは8世紀に帰化してきたと考えられています。
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よく 桃栗三年、柿八年 と言われますが、その後に続いて、ウメはスイスイ十六年、梨(ゆず)の馬鹿めは十八年 と言われます。
スイスイは、酸い 酸い とも書かれ、とにかく酸っぱい事を指しているようです。
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二月にはいると、各地の梅林から、見頃になったというニュースが入ってきます。養老公園に少しだけ植えられているウメも花が咲きはじめました。
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【投稿者:西美濃の森林だより特派員 水崎 貴久彦】

イワタバコ

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イワタバコ
イワタバコ科 イワタバコ属
Conandron ramondioides Sieb. et Zucc.

イワタバコは、日陰の湿った岩壁や、谷の岩などに貼りつくように生えています。
ツヤツヤと光沢のある、タバコの葉によく似たチリメン状に皺がある葉をつけることから、花が咲いていなくても目立つ植物です。別名 イワジシャ とも言いますが、これもチシャの葉に似ていることから付けられた名前です。

暑いこの時期に、水しぶきのあるところに咲いているので、とても涼しげに見えます。

【投稿者:西濃の森林だより特派員 水崎 貴久彦】

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イワカガミ

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養老公園にある 養老の滝 

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から さらに奥に登る道があります。

この道を登ってゆくと、明治時代に作られた大きな岩を積み上げた砂防施設があります。これを設計したのは、オランダ人技術者のデレーケだと言われています。

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さらに上へ登ってゆきましょう。
お天気も良いし、谷を吹き上がってくる風が心地よいですね。
足下をよく見ると、ピンクの花が咲いています。丸い葉が付いていますが、とてもツヤツヤしていてまるで鏡のように光っています。

そんなところから、イワカガミと名前が付けられました。

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【投稿者:西美濃の森林だより特派員 水崎 貴久彦】

シャガ

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養老公園の滝筋は、シャガが真っ盛りです。

シャガの学名は、Iris japonica と言います。属名アイリスは、ギリシャ語で虹を意味し、種名のジャポニカは、日本を意味しますが、中国原産の植物と考えられています。お茶等と同じように古い時代に渡来した植物のようです。

日本に生育するシャガは、種子が出来ませんので、遺伝子はすべて同じであると考えられています。

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【投稿者:西美濃の森林だより特派員 水崎 貴久彦】

お花見の季節

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いよいよサクラのお花見の時期となりました。養老公園では、ボチボチ綺麗な花を眺めつつ、一杯なんて季節になりました。
ところで、今年は2月の気温が低く、3月は急に暖かくなったので、春の花が一斉に吹きこぼれるように咲き出しました。ツバキ、ウメ、モクレン、コブシ、ユキヤナギ、レンギョウ、ボケ、サクラ、スイセンなどなど。
また、滝に登って行く散策路沿いには、白い花がちらほら。ミヤマカタバミの花でした。
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【投稿者:西濃の森林だより特派員 水崎貴久彦】